2010年10月27日水曜日
どっちでもいーのだ!
「原始人も焼き畑やっていたのだよ。きみのやっていることは、原始人以下だ」
妖怪はコーヒーを飲みながら言った。
原始人が焼き畑をやっていたかどうかは知らない。しかし草木灰の肥料さえも入れないで野菜を作ることは、原始人以下だと言っている。きついお言葉。だがお顔が緩やかなので、ちっとも怒られている気がしないのは、妖怪ゆえか。そんな妖怪が、やまんばは大好きなのだ。
「ぼくはね、十数年前から本を読んで勉強したんだ。畑をやるにはまず土作りだ。」
妖怪は最初うんと完熟した、非常に質のいい牛の糞を300キロ畑に投入された。それからたえず追加の牛糞や鶏糞やナントカ石灰や腐葉土やおからや、とにかくいろんなものを入れて土作りに励まれたようだ。お知り合いに農大の方がいて、彼に土の成分を調べてもらい、絶えず土チェックはおこたらない。畑にリトマス試験紙も用意してある。土の成分表もあると言う。
「すると、ナントカの成分が過剰だってわかるんだ。だからそれを減らして調節する」
すばらしい。これぞ文明を生きるお方だ。どうりでいつも大きな野菜が豊富なのだ。
「しかも無農薬だよ」
妖怪は身を乗り出した。ここまで完璧な野菜作りはないだろ?と、お顔が言っていた。
やまんばは、妖怪にいただいたジャガイモが、腐って牛糞のにおいがしていたのを思い出していた。やはり野菜は土の中のモノをすべて吸い上げるんだなあ。。。
スーパーで買った野菜がクスリの味がしたのも、土の中のものを吸い上げる性質を持っているからなのだと確信した。
ブロッコリーの苗に虫がつく話が出た。
「葉っぱはみんなレースだよ」
「え?レースって?」
「百匹は下らないね、3、4個の株に。それをとるのが大変なんだよ」
「ウチのブロッコリーには虫そんなにいないよ。見つけてもせいぜい3、4株に1匹。捕まえてフェンスの外にポイッ」
「そんなはずはない。虫もつかない野菜なんて。きみ、どんな野菜なんだ。。。」
「そう!虫もつかないいい女!」
と、ウケ狙おうとしたのだが、そこんとこは無視されて、ブロッコリーやキャベツ系の株に虫がつかないことをケーベツされた。
虫がつかないのには理由がある。山の草に虫が大量に発生して葉っぱがレース状になることはない。土の中に過剰なものが入ると、自然はそれを取り除こうと躍起になるのではないだろうか。やまんばの畑は自然の状態に近い土をしているようだ。だから虫もそこまで来ない。
ここに二つの選択がある。野菜を大きくするために牛糞や石灰を入れるかわりに、虫も大量にふえその始末に負われる。もしくは何も入れないで自然が調節してくれるにまかせ、その摂理に合わせた大きさの野菜にして、虫も食わない野菜にするか。。。
だが、ホントはどっちでもいいんだ。なんだかめんどーくさくなってきた。
農薬を使って野菜を作ろうと、有機農法で野菜を作ろうと、自然農で野菜を作ろうと!
正直いうと、だんだん自分でいやんなって来たのだ。
白状しちゃうと、自然農やっていることが正しいと思っている自分がいると、他のやり方をしている人々をどこかケーベツしたり、排除したりしてしまう心があるのだ。そんな自分がいやんなっちゃうのだ。「あたしのほうが正しい」と思った瞬間、閉じた心をもつ。勝手に自分で他人と線引きをしている。それで優越感を持つ。
これってやらしくない?
そりゃ、農薬は自然にやさしくないかもしれない。けどそれがあるからみんなスーパーで買えるのよ。
エコな人たちが「地球にやさしくしている自分」をかわいがっている姿を見ててイヤな気分になるのも、根底に同じものが流れているからではないか。どっちにしたって、悦にいっちゃっている訳さ。やまんばは、そんな気分でたゆたよっている自分に気がついた。
妖怪は妖怪がいいとおもうことをやり、やまんばはやまんばで好きだなあとおもうことをやる。それでいいんだとおもう。地球さんのことは知ったこっちゃない。どっちみち、人間が好き勝手やっても、地球さんのくしゃみひとつで、全部ぶっとんじゃうんだもん。
逆に地球さんの物質的な面のことばかりを考えて、人間どおしがいがみ合ったり批判しあったりケーベツしあったりしていることの方が、はるかに害がある。
地球さんは、ホントはそっちの方を心配しているんじゃないかなあ。
絵:「お金持ちのお金はなぜなくならないの?」表紙イラスト/メディアファクトリーから今日発売でえ〜す!
戻りました。
返信削除アメリカのレタスは、パリパリでおいしいんだよね。何か使ってるのかね??
おかえり〜、ぱぱさん。
返信削除そーいやあ、みんなでかくてガッツりした感じのレタスが多かったなあ。日本のようにすぐわれちゃうよな繊細ではなかったな。何か入っているのかな?(何でも疑っちゃうぜ)
レタスは、よーく水切りすると、パリパリでおいしくなるんだな。それかな?わからん。
んで、ノンアルコールビールで酔っぱらって来たかい?