2009年4月25日土曜日
わしらの畑
前人未到のような場所の開拓からはじまった畑。今やっと畑らしくなった。
農薬は使わない昔ながらの農法。棟梁の音頭のもと、せっせと草むしりに紛争する。ほくほくに耕した土に、シュンキク、小松菜、ジャガイモ、モロヘイヤ、ルッコラ、トウモロコシに、枝豆を直播きする。あたたかくなるにつけ、ちょろちょろと芽が出始める。かわいい。
一方、買ってきた苗は、過保護に育てる。ウラの山から落ち葉が腐った堆肥をとってきて混ぜ込み、石灰で消毒。キュウリ、ナス、ピーマン、カボチャ、栄養満点の土にそっと入れる。上からはたっぷりの水。ナスは寒さにヨワイから、しばらくは上からビニールをかけて、寒さを防ぐ。トマトは花がでるまでは植え替えちゃいけないので、そのまましばらくポット苗に。
じつはそのかたわらで、別の農法に挑戦し始めた。
私がまだニューヨークにいた頃、その頃出来たばかりのブックオフで、ある本を見つける。「自然に還る」。私はこの本に衝撃を受けた。本当の野菜はこのように育たなければいけないにちがいない!
ニューヨークの「これはホントに野菜なのか?」と思うようなスーパーの野菜を見ていたたまれなくなっていた私に、この本は大きな希望をあたえてくれていた。
このじいさま(名を福岡正信といわれる)の書かれた本の内容は、とても私ごときが語れるものではない。「この世はなにもないのだ!」という彼の言葉には、胸を震わしてくれる何かがある。宇宙の真実をつかみ取ったものにしか表せない、何かがにおいたってくるのだ。そのほんのひとかけらでもくみ取ろうと、必死で読んだ。そしていつか彼のようなやり方をやってみたいと。
チャンスは8年後にやってきた。
しかし、問題は棟梁である。彼は自分の農法が一番正しいと思って疑わない。全部を自分流でやりたがっている。私も最初はこのじさま流は、絶対無理だと思ってあきらめていた。しかしどうしても心がうずく。
結局、棟梁をなだめすかして、あほうになって、そして友達の後押しによって、やっと畑の一部を実験場にさせてもらう事が出来た。
耕さない、草とらない、自然にまかせる畑。(じいさまの農法には足元にも及ばないけれど)草とともに生える野菜がこの目で見たみたい。全てがバランスよく共存する世界を....。
ところがこの畑、美しく並んだ、草一つない畑を理想とする棟梁にとっては、屈辱的な畑だ。
「そんなもの、なまくらのすることじゃ〜っ!」と一喝される。言われて当然の事だ。日本の伝統的な農業を真っ向から否定する事になるのだもの。
けれども、ゲージツ家のはしくれとして、やってみたい!と思った事は、納得するまで追求してみたいのだ。やってみたいと思った事は、どーしようもなく、やってしまいたいのだ。たとえ失敗こいても。
今日は雨。
畑には誰もいない。草ぼーぼーの中に、けなげに双葉を出すキュウリ、ズッキーニ、茶豆、トウモロコシを見つける。この若い芽がこれからどんなふうに育っていってくれるのかくれないのか、ジッと観察してみる事にしよう。
雨の中、赤クローバーの種をそこらへんにまき散らしてみた。緑肥になってこの土たちを肥やしてくれるのだと、うちのダンナがリンクをはっている栽培する人、田中敬三さんから聞いた。
気分はほとんど花咲か爺さんか、ミレーの種蒔く人になりきっていた。
絵:coopけんぽ表紙「さつまいもほり」
いっしょに、バンガローね!
返信削除私自身は、力仕事と食べ(呑む、か・・)
る事以外にはあまり熱心では無いけれど
協力はしまっせ。
次の作業は、線路側と畑の東側の柵を
作ること(イノシシ対策)。
棟梁いないと結構ほねかもね・・・。
きのうは、ありがとうございました!
返信削除仕切り直して、またがんばりますか。
いろいろご迷惑をおかけします。
これからもよろしく!
畑、楽しみですね~。実験所もできたんですか。
返信削除棟梁との組み合わせがおもしろいなと思っていたんですが、そんなやり取りもあるんですね。
リスさんいらっしゃい。
返信削除はい、いろんなやり取りがあります。
これもやってみないとわからなかった事で、いろいろ勉強させられます。