2009年2月23日月曜日
この世のジョーシキ
私の友達は酒飲み。
昨日彼に「休肝日はあるのか?」って聞いたら「ない」という。
「でも風邪引いたら、飲まないでしょ?」と聞くと「いんや。飲む」とのこと。
で、からだはどこも悪くない。
彼の奥さんは看護士。彼女もまた「風邪引いても、風邪薬なんか飲まないわよ〜」だって。
一体どういうことなのだ?
酒は毎日のんじゃダメで、一週間に一日は休肝日はもたないといけないとか、風邪を引いたらはやめに風邪薬を飲む、とか言うのがジョーシキじゃなかったっけ?
でも彼は364日(たまに年に一回ぐらい飲まないときがあるらしい)飲むのに、検査しても何も悪いところはない。奥さんは、西洋医学のど真ん中で働いているというのに、自分は風邪薬は飲まないどころか、子供にも飲ませない。彼女はちゃんと薬で治さない自然な方法を知っているのだ。
そういう話を聞くと心が「うほほ〜」とうれしくなる。
ホントは、「そんな飲みかたしたらダメじゃないの」とか「ちゃんとお薬を与えてあげて!」とか言わないといけないのだろうか。
けど、そんなアドバイスを言った瞬間、心のどこかが不安な気持ちになるのは、わたしだけだろうか。ひょっとしたらそっちの考えは、頭で考えたものなのかもしれない。
その話を聞いた瞬間、心がうれしくなるのは、頭ではなくて、魂のどこかでそのアイディアに同意しているんじゃないだろうか。「そうそう、まさに言えてる!」って。
テレビみてると「あれしちゃいけない」「これしちゃいけない」「転ばぬ先の杖」「用心用心」「まず、自分の身体を疑ってみましょう」「危機感を持ちなさい」「これが今の常識」「今ならまだ間に合う」「行列の出来る病院」「人気のお医者さん」....の、オンパレード。
まるで人間ってとっても弱いもので、何かが起こったらもうおしまいでしょ、それもあなたの自己責任なのよ、と脅迫されているように思える。
そんな言葉を毎日毎日聞かされていたら、そんな気になってこない?
しかも脅しは身体のことだけではない。「アレが怖い」「これが危ない」「狙われている」「次のターゲットはあなたかもしれない」「あなたのとなりに危ない人がいるかもしれない」.......
もううんざりだー!
だんだん頭にきてテレビをブチッと切る。
なんか最近のテレビはへんだ。脅し方が異常だ。そんなに一般庶民を脅してどうするんだ?そんなに危機感をあおってなんのトクがあるんだ?集団催眠でもかけたいのか?治安が最悪のアメリカにいた私にとって、日本の治安は全然ましだと思えるのに。これじゃ、なんでもないことで、道行く人を犯罪者のような目でお互いを見ることにならないだろうか。いつのまにか、息苦しい世の中に自分自身がしてしまわないだろうか。
先日、恐怖で頭がおかしくなった人が取材されていた。彼女は、テレビがあおる恐怖をそのまま鵜呑みにして混乱していた。まさにメディアの被害者以外何ものでもない。でもそれをメディアは報道する。「ほーら、こんな人もこの世にはいるんです。おそろしいですね」と。
誰がそれを植え付けたのだ?
....なんつって、テレビを怒ってもしょーがないのだ。
相手は一方的に垂れ流しする情報。テレビに向って指差して怒っても聞こえないのだ。(はたから見たら、ただのぼやきのばあさん)
ただその情報に飲み込まれないようにする心構えが必要なのだ。
冒頭の彼らは、そんなこの世のジョーシキをひっくり返してくれる。
「心が歓ぶことをすればいいんじゃないですか?」と、うれしそうに笑う彼ら。
おおらかでいいなあ。やっぱ、こうでなくっちゃ。
これからは、心が「うほほ〜」とあったかくなることにアンテナを張り巡らすことにしよう。
ウホホ〜アンテナ。どんな形をしてんのかな?
絵:「自然は緑の薬箱」イラスト「イボガ」
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