2008年11月18日火曜日
雑誌コスモポリタン
昨日、今は休刊となったコスモポリタンの編集部にいた人々にあった。懐かしい顔ぶれに「ああ、私の仕事の始まりはここからだったんだなあ...」とあらためて思う。
コスモポリタンは私のあこがれの雑誌だった。
創刊された頃は、私が美大生だったとおもう。京都の小さな本屋さんで見つけた真新しい雑誌。大胆な女性のボーズの表紙。お色気ではない、何かにいどむようなオーラが溢れていた。その頃の女性誌と言えば、女性の優しさや控えめでいて強いというのが主流だったような気がする。
その中で「これからの新しい女はこうよ!」と堂々といい放った、ふてぶてしいまでの女性誌。女性の方が本来は強いと思っていた私は、こりゃイケてるわ、と密かにほくそ笑んだものだった。
フリーになったあと、コスモに営業に行き仕事がはじまった。強い女、大胆なポーズ。コスモに負けないように制作する。本当のところ、私のイラストの根本的な発想は、編集部の人々のおかげで作られたんじゃないだろうか。
じつはニューヨークのアートディレクターに私の絵が受けた理由はここにあった。私はラブロマンスの表紙はいつも意図的に女性が男性に挑むような絵に仕掛けたからだ。
あれからしばらくたって、私は懐かしい人々に会う。コスモから始まってグル〜ッとながい旅をして、そしてまたコスモにやって来た。神保町の駅に降りた時「出発点にまた立ったなあ〜」としみじみ思った。
私は今まで過去を振り返らないで前ばかりを見て走って来た気がする。でも今の自分は過去あっての自分。今はその大事さを触覚でつかんでいる。
今、あのコスモはない。みんなそれぞれの道を歩んでいる。そして時代のトーンも変わった。
ぐるっと一周して同じところに戻ったように見えるが、それは一段階上の場所に来ている。縁は螺旋階段のように、上に上にあがっていくのだ。
これからの新しい時代の女性は、どんな姿をしているのだろうか。
絵:ラブロマンス表紙
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