2022年3月4日金曜日

地球を取り巻く心


 

「僕、日本を出ます。

もっといろんな世界を見たい。

広い世界に飛び出してみたいんです」


ドラマでそんなセリフを聞いた。


私もそんなことを思っていたなあ。

一体どんな世界が待っているんだろう?って。


7年半のニューヨーク生活の間に知ったことは、

私にとっては、日本が最高だったってことだった。


そして日本に帰ってから、そのことをみんなに伝えたいと思った。

本まで出版してもらおうと編集者さんと取り組んできた。

だけど結局挫折した。


編集者さんには申し訳ないことをした。

だけど今はそれでよかったと思ってる。


なぜかというと、比較によって、

この国は良いとか悪いとかいうことは、

虚しさを伴う。


アメリカの酷さと比べて、なんて日本はすごいんだ、

などと今は言いたくない。




冒頭の彼のセリフには大賛成。

日本を出てもっと広い世界を知って、

世界の価値観をたっぷりみてくるといい。


そしてその価値観が、場所によって時代によって常にコロコロ変わること、

そしてそれは本当は何も意味しないことを知る。

その体験の方がはるかに大事。


だから今の私には、日本がいいとか、

どこそこの国のあり方がいいとか、

何も思わなくなった。



地球は思いのほか小さかった。


形が変わろうとも、どんな形であろうとも、

世界中の人々の心は同じように感じる。

みんな同じことで苦しみ悩み、そして喜ぶ。



形や言葉を取り除いたら、

一つの大きな心が、この地球を取り巻いている。


愛に満ちた心が。




絵:「水仙ちゃん」/越前茶キャラクター


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