2017年2月11日土曜日

今、その触っている紙を感じる


切り絵の教室をやっている。

生徒さんが、時間内に制作を仕上げようとあせっている。

あせる手がもつれて、作品が荒くなっていく。

わたしが「時間は少しオーバーしても大丈夫ですから、ゆっくりやってください」
と言っても、あわてている気持ちは止まらない。

理屈ではわかっているけれど、早くやらねば!というおもいでいっぱいになっていた。

「今、そのもっている紙、ノリをつけていること、貼ること、いまやっているそのことだけ見て下さい。その今もっている紙の触覚、ノリをもって、塗っている触覚。その感覚の中に入って下さい。。」
思わずそんな言葉がでる。

ほんの1分ほどで、彼女の焦る気持ちが消えているのに気がついた。今、この瞬間に、彼女はあった。

静かな時間が流れた。
かなりかかるかなと思われた作品は、10分オーバーしただけで出来上がった。

紙を切って貼るという行為は、指先に直接的にかかわる。
紙の柔らかさ、繊細に扱う指の感覚、カッターの鋭利さの神経の使い方、ノリを扱う時の俊敏さ、丁寧さ。。。
すべてにダイレクトに今の感覚をとぎすます。
まさに、今、ここにいる感覚を、直接感じることが出来る手法だということを、あらためて知る。

現代人はいつも頭の中に住んでいる。
目の前に起こっていることよりも、ちょっと先に心がいる。
その時、目の前のものは見ていない。

感覚に還る。

今、目の前のものが見え始める。


4 件のコメント:

  1. い、いつの間に教室が。。
    私も習いたいわぁf(^_^;

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  2. まいうぅーぱぱ2017年2月13日 22:11

    そんなんやってたんですね!!どこで?
    良いですね!

    個展行けなくてごめんなさい!m(__)m

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  3. 麻里さん、

    あはは。東京まで習いにくる?
    一度教えてあげる。

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  4. ぱぱさん、

    あれえ〜?
    知らんかったっけ?
    うちでやってるよん。
    滅多にやらない、謎の教室。神出鬼没w

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