2015年3月31日火曜日

朽ちていく木の美しさ



梅の木が倒れて、その上をツル科の植物や草がおおいつくす。
そっと木肌に触れてみる。枯れた梅の木は、スポンジのように柔らかかった。

梅の木は死んで自らを新たな生命たちに明け渡している。何種類もの植物におおわれたその姿は美しい。緑色だけじゃなく、赤や黄色、薄紫。あらゆる色をまとって。

畑をやっていると植物があっという間に土に帰る姿を見る。それを見ると、植物は土でできているとおもう。ということは、それを食べる私たちも土でできている?豚だって、牛だって鳥だって、みんな植物を食べるじゃないか。やっぱりわたしたちは土でできている?無機質から有機質になり、その有機質は無機質に帰る。
じゃあなんでそこに生命が?

見えている世界の背後に、とんでもないものが存在している。それがわからないのは、ニンゲンだけなんじゃないか?それが見えないのも、ニンゲンだけなんじゃないか?
動物も草も虫もみんな知っている
「それ、あたりまえじゃ~ん」ってことが、
この地球上のニンゲン種だけが
「それって、なに?」
っていってるだけなんかも。


やまんばはそんな植物たちを絵にする。
枯れて落ちた枝を拾って絵にする。
ケヤキに絡み付いたツルの美しさを絵にする。
食べ残しの干し柿を絵にする。

5月の展覧会に出します。






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