2010年8月20日金曜日

みんな同じ葉っぱ




先日、自家採取した種をまいてみた。次々出て来る双葉に眼をほころばせていたのもつかの間、あっという間に双葉は虫さん達のえさに。それでもくじけず、怒濤のごとく蒔きちらす!努力のかいあって、2、3割が本葉を出し始める。

「あれ?へんな葉っぱだなあ。。。」
気がつき始めたのは、水菜のはっぱ。葉っぱのまわりがギザギザはしてはいるが、なんとなくまるっこい。あの水菜のしゅんしゅんしたシャープなカタチではない。。他のが出始めた。ノラボウ。これも似たようなカタチ。。ノラボウもまわりがギザギザしているから、まあ、こんなもんだろう、と思っていたが、よくみると、水菜と同じカタチではないか。いやいや、気を取り直して、今度は壬生菜。これはギザギザしていないはず。。。。「ぎっ。。。。ぎざぎざしているっ!」なんじゃこれは。小松菜、やっぱりぎざぎざ。チンゲンサイも。。。。ギザギザ!
んなわけないだろうーーーーーっ!

というわけで、アブラナ科の植物、すべてが交配しちまったのか、(ノラボウは交配しないと聞いたんだが。。。?)みーんな、おんなじカタチのものが出来ちゃった。ははは~~~~っ。しゅん。。。。

どっとやる気が失せる。やだ。もう。こんなの。やめてやる。
畑を見渡すと、ここんところの雨で、うおりゃあ~~~~っと草の海。気がつけば、胸の高さにまで伸び上がったイネ科の植物。一面麦畑~みたいだ。
乾燥を好むトマトは雑草に遮られ湿度たっぷり。カメムシがわんさか取り憑いて水分を吸い始めた。先日のピーマンと同じ状況に。このままほっておいたら、やがて枯れてしまう。。。地面にへばりついてくもの巣を払いながら、トマトの足下の草刈りをする。支柱がないからそこらの竹でなんとか間に合わせるが、地面がまだ固いので途中でボキッと折れる。やまんばはバランスを崩し、目の前のトマトに倒れ込む。その勢いは、その向こうのオクラの畝にまで及ぶ。やまんばの体重を浴びて、何本か折れる。なんだかなさけなーくなる。。
やだ。もう。こんなの。やめてやる。。。!


ここの畑を昔何年も手伝っていた近所の兄ちゃんに聞く。
「今私がやっている畑、昔、何の肥料入れてた?化学肥料?」
「いんや。化学肥料は金がかかるからそんなものは入れねえ。肥料は、ほれ、その目の前にあるうちが、昔は牛舎があっただろ?あそこからもらってたんでえ」
「え!?ひ、ひょっとして牛糞!?」
「あたぼうよお。でっかい野菜がいっぱいとれてたぜ~」
「そのとき、虫はいなかったの?」
「そーいやあ、昔は今みたいにこんなにたくさん虫はいなかったなあ。なんでだろう。。。?」
「ところで、なんでそんな事聞くんでい」
「い。。いや、。それは、その。あそこの畑の歴史を知りたくってさあ~」
と、ごまかす。
まさか、その肥料が毒になって土のバランスを崩している、とはいえない。しかも、ショックだったのは、化学肥料ならまだ自然界と分裂しているから肥毒が出やすいのだそうだが、いわゆる鶏糞とか牛糞とかの有機肥料は、自然界のものと融合してしまうので、その肥毒が土の中から完全に出てしまうには、相当時間がかかるという事を聞いていたからだ。

実は昔、有機農法をやっている人からじゃがいもをもらったことがある。そのジャガイモは畑から掘出してウチに来た直後から腐り始めていた。白い泡がぶくぶくと出始め、異臭がする。そのままほっておいて次の日、玄関が肥だめの匂いで満たされていた。ジャガイモ達はしゅーしゅーと音をたてながら、見る見るうちに腐っていった。結局もらったジャガイモの半分は、一晩で腐っていったのだ。その肥だめの匂いは、近所のおじさんが畑によくまく、鶏糞と全く同じ匂いだった。
自然農で言われている事は、植物はその土のものをすべて吸収する。土にはいった不自然なものをその根っこで吸い上げ、土を正常にするのだと。まさにそのままじゃないか。おじゃがは、鶏糞のたっぷりはいった土地の中で鶏糞をそのまま吸収し、肥大化していったのだ。恐るべし!肥料の力!そして植物の素直な吸収力!
奇跡のリンゴで有名な木村さんいわく、ホントの野菜は腐らない。
自慢してしまうが、今年ウチの畑でとれた、チョー少ないおジャガは、とりっぱなしの湿った土付きの、しかもビニールに入れっぱなしの悪条件にもかかわらず、ちっとも腐らないのだ。直径1センチのちっこいお芋もゆがくと塩もいらないくらい、ものすごくうまい。同じ条件でもらった方のジャガイモをゆがいてみると、何も味がしなかった。ここまでくると、肥料って一体なんなんだろうと思う。

うっそうと茂る草を見て思う。
「今、その牛糞の毒素をこうやってイネ科の植物が吸い上げて空気中に放出してくれてんだなあ。。」
確かにイネ科の植物が生えたところの畝はふかふかとやわらかい。大豆も片っ端から植えたから、土にチッ素を固定化してくれている。
しかーし!ニンゲンの強欲は果てしないのだ。
「やっぱり、ちょっとは収穫したいわよねえ。。。」である。
変なカタチの本葉の若い苗を恨めしげにながめながら、自分の忍耐力のなさになげくやまんばであった。

皆さん、自然農は忍耐だぜえ~~~~っ!


絵:coopけんぽ表紙「キンモクセイ」

4 件のコメント:

  1. こんにちわ。

    …あの、私なんかが言うと僭越かもしれないのですが。

    『自然農』という言葉に拘りすぎると、いろいろ辛いことが増えてくるような気がしています。
    「以前、牛糞という毒素が撒かれていた畑」と思うだけで、畑そのもののことまでキライになっちゃいそうじゃないですか・・・?

    いろんなものがいろんなバランスで回っている自然のなりたちは、これがこうなるからこう!というような簡単な理屈で説明できる程ヤワではないと思っています。

    あんまり、全てのことの理由をいちいち考えたりせずに・・・。自分のアタマが作り出した理論に縛られると、本当の意味での『観察』は、できなくなってしまうもの(自戒を込めて!!・笑)。

    もっとてきとーに、丹精しましょー♪私も奮闘しておりマス(*´ー`)

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  2. ふわ。くるりさん、ど真ん中なコメントをありがとうございます。
    ほんとです。頭がセンコーしちゃってます。虫にくわれる理由を牛糞のせいにしたり。
    どっかで、また例の「ちゃんとしなきゃ病」が発令しています。みんなに悪いなあって。
    いや、ほんとは私の力のなさのせいで、この畑を明け渡さなきゃなんなくなるんではないか?などと欲深い事を考えている自分がいるのに気がついたのです。。。

    誰のものでもないこの土地。自然界のもの、植物さんは植物さんのペースで生きているんですよね。私が作るわけではない。

    てきとーにやります。ありがたいお言葉をありがと。

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  3. まいうぅーぱぱ2010年8月22日 14:59

    って言っても、種買って蒔いてるんだよね・・。
    仕事だったら、やになってるね・
    って、おいらに言われたかねぇ。って・・。
    だよね。

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  4. こらあ、なに一人ボケ突っ込みやってんのかい。

    というわけで、種蒔いても育たねえっちゅう畑です。ここはひとつ、つくしの偉大なる趣味ということでかんべんしてやっておくんなせえ。あくまで趣味だから、種にひとりで金つぎ込もうといいのです。

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