2009年3月29日日曜日

ニューヨークに地震ってあるの?




ニューヨークの地面が、今ゆれている。
先日、ニューヨーク州で1回、先月はニュージャージーで3回も!


東京にいるといつも揺れているから「それがどーした」と思ってしまうが、これはたいへんなことなのである。
私が7年間住んでいて、地震があったのは1回か2回だけ。そんだけぴくりともしないガンコな地面なのだ。おまけにかったいかったい岩盤なので、マンハッタン島の最南端みたいに、海の中からそびえ立ったようなビル群が作られる。ニューヨーカーは地面が揺れないと信じて疑わない!

で、あるから「耐震構造」という発想もないらしい。一個の細長いビルが自力で建っているのは最近になってからのよう。それ以外はヨーロッパから来た職人さんたちが作った古〜いビルたちが、お互い「寄り添いあって」生きている。落語の長屋みたいなもんだ。お醤油を切らしたら、お隣さんに借りてくるような仲睦まじい関係。
だから、お隣さんが、不況かなにかで突然いなくなって、寄り添えなくなってしまったらたいへんだ。だんだん傾いてくる。

ダウンタウンのチェルシーにそんなビルはあった。ひしめき合ったビルのあいだにめずらしく空地ができた。で、寄り添えるお隣さんがいなくなったビルさんは、ピサの斜塔のように傾いていた。
あそこにゃー住みたくない。ニューヨークのアパートの床は大抵どこかが傾いているが、あそこまで傾いていると、いるだけで気分が悪くなるに違いない。だいいちどっちを向いて寝ていいかわからないではないか。頭を上にすると、足に血が下がるし、かといって頭を傾いている方にすると、血が上る。(住まなきゃいいだろ)

ハーレムにも傾きビルはあった。となりの空地から、子供でもやらないぐらいてきとーな鉄のつっかい棒がしてあった。みっともない事この上ない。しかしそんなことを気にするニューヨーカーではない。雨風しのげりゃ、御の字だ。

しかしビルが倒れる心配もさることながら、もう一つ心配な事がある。それは壁。

ブロンクスでは、空地になったとなりのビルの壁が、いきなりはがれ落ちた(笑)。ニューヨークタイムズの誌面を堂々と飾る。
7、8階建てのビルの一面が見事にはがれ落ちて、全部のフロアが丸見え。ベッドもそのまま、机もそのまま、ある家族はキッチンでごはんを食べていた。

ある意味、これは巨大なインスタレーションアートである。さすがニューヨーク。アートの街!

などとふざけたことを言っているばあいではないのだ。

もしマンハッタンの街に、震度3ほどの地震が来てしまったら、街は壊滅状態になるんじゃないかと、いらぬ心配してしまう。

新しく建設中のビルの柱を見ても、びみょーに歪んでいる。一本びしっとビルを突き抜けた柱ではなく、フロアごとに柱を立てたようなふしがある。どうみてもあやしい。
地震大国ニッポンから来た私はそこを通る度に「こんなビル、住たかあないわよねえ」と、友達と悪態をついていた。

鉄はうたれると強くなると言うが、ニッポンは地震によってうたれて強くなったに違いない。たぶん、世界一の耐震技術だ。


さて今世界中が揺れている感じがする。海底火山も噴火したし、あちこちでぷすぷす何かしら動いているような気配。

地球さんもそろそろなんか考えだして来ているのかもしれない。自分の皮膚の上にくっついたウイルスがウザッタくなって来た?
「うっとおしいなあ、くしゃみの一つでもしてやるかあ〜?」なんて?
そうなったら、ニンゲンウイルスは木っ端みじんじゃ。

大自然の前ではニンゲンなんてちっこいちっこい、アリンコのフケみたいなもんだ(アリンコにフケあったっけ?)。それを前提にしたら、今このときを大事に思って生きることが精神衛生上一番いいのかもしれない。

などと、畑の草をむしりながらひとり考えたのであった。

絵:ミステリーブックカバー掲載

4 件のコメント:

  1. まいうぅーぱぱ2009年3月29日 21:29

    香港も地震の無い国で知られてます。
    例の100万ドルの夜景の高層ビルたちもほとんど長いパイルを打たずに立ててあるらしいです。実際地下3階以上の建物に巡り合ったことがない・・。
    あそこに地震が起きたら・・・いったい何人死ぬものか・・。願わくば私の行っていない時にしてください。
    あと、香港では、材木でつっかえ棒をしてあるビルを見たことがあります。
    あと、どう見ても隣のビルの壁面に直付けしたビルも見たことがあります。改築のときはどうするんだろう・・・?

    あと追伸ですが、”天狗の件”で投稿したつもりなのですが、これって、届いてないですか?クレームじゃなくって、こちらの手続きミスかの確認です。

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  2. ひえ〜、
    香港もおっかねえ〜。
    さすが竹の国。つっかえ棒も材木ですかあ。
    確か建設足場は竹を組んで作ってましたよね。あ、あれは中国本土だった。

    そういえば、今は壊されてしまったクーロン城(ガウロン城だったっけ?)もお互いがくっつきあってたってたよなあ...。

    改築はまたそれにくっつけて立てる?増殖するタテモノ。
    天衣無縫な文化圏だ。うらやましい。

    あれ?天狗の方は届いてないみたいです。また送ってください。

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  3. まいうぅーぱぱ2009年3月31日 1:28

    香港も足場は竹です。
    歩道歩いてても、植木にやってる水やら。
    なんかワカラナイ水(?)たれてくるし、
    足場に使ってる竹なんか落ちてこないか
    いつもヒヤヒヤです。

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  4. やっぱ香港も竹かあ。

    あれは外から見たら、圧巻だけど、そうかあ、いろんなものが降ってくるんだな。

    前にガウロン城にちょこっと入らせてもらったときも、上からわけのわからない水がたれていて、雨みたいだった。

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