2008年12月30日火曜日

憧れる民族



先日、ニューヨークから友達が遊びに来た。彼女はNYに住んでかれこれ20年以上になる。その彼女いわく、
「あ〜、やっぱし日本はいいわあ〜。繊細で。それにくらべてアメリカと来たら!ニューヨーカーは原始人のようだわ!」おこたに入りながらつぶやいた。

「久しぶりに帰ってくると、合う人たびにNYから来たことを知ると、とたんに態度が変わる。『へ〜、NYですか。いいですねえ』とか、『すてきですねえ』とかいって、私自身を見るというよりも、『NY』を通してみる。それが気に入らない。でもどこから来た?っていわれたら、NYというしかない。もう、そんな目でわたしをみないで!」と。
彼女はあそこは原始人の住む世界で、日本人がおもっているような憧れるような世界ではないといいたいのだ。


日本人は憧れる民族である。
何でもかんでも憧れる。歴史を振り返れば、最初はお隣の韓国にあこがれ、次に中国に憧れる。シルクロードを経由して、今度はヨーロッパに憧れる。そして今はアメリカだ。

つい最近までは、その憧れる民族は雑誌やテレビでアメリカのすごい所をいっぱい聞かされて、「ああっ!すてき!」と恍惚感にひたってこれた。
ところがここにきてアメリカもいろいろほころびが出て来て、憧れる日本人は、どこかで「これはなんかおかしい.....」とおもいはじめた。けれどもあくまでも憧れたい民族だから、冷静によその国の事がブンセキできない。
アメリカ=大国。ニューヨーク=ステキ。と、形容詞のようにくっついてはなれない。
だからきっと今、日本人の頭の中で混乱しているに違いない。ステキなはずなのにひどい現状......?

ホントは最初っからアメリカは変わっていない。まさに弱肉強食の原始の世界。そのひどさが国内で隠しきれず、ついに外にあふれだしただけのことだ。それも世界を巻き込んで。
今回の発端のサブプライムローン問題は、内容を見れば、誰がそんなローン組むかと言いたくなるような内容。金利がいきなり上がる何年後かには破綻するのが目に見えている。貧乏人対象にしているのだ。突然ドーンと給料が上がるわけがない。アメリカの貧困層は日本の比ではないのだ。誰かが意図的にやったとしかおもえない。それを「そんなことが起こるなんて...」という事自体がおかしいのだ。テレビがいちいち騒ぎ立てる事を鵜呑みにしたはいけない。

探し求めていた青い鳥はどこにいる?グッチやエルメスの中に青い鳥はいない。
ちょうど今、一番日本らしさを感じられる季節。
じつは自分の一番身近なところに青い鳥はいるのかもしれない。

絵:『NEW YORKER』お買い上げ。いつ掲載されているのかわからない。(笑)

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